思考と現場の間で

「いいサービスづくり」のために、組織づくりやソフトウェア設計など、考えていることを書きます

組織構造を変化させる難しさと意義

チームトポロジーを読み始めた。

普段組織づくりの時に考えていることがどういうことかというのを整理、言語化していて、今後組織づくりをしていく際にとても役に立つなと思った。エンジニアリングマネージャーにとって、とても実践的で即使える内容ではないか。

P.7に早速とても実践的な定義があった。組織構造についてである。

1.公式な構造(組織図): コンプライアンス遵守を円滑にする
2.非公式な構造 : 個人間の「影響力の領域」
3.価値創造構造 : 個人間やチーム間の能力に基づいて、実際にどう仕事を終わらせるか

プレイギングは、知的労働組織の成功のカギは、非公式構造と価値構造のインタラクション(すなわち人とチームのインタラクション)にあるとしている

これは本当にそうで、マネジメントにおいて構造に手を入れる際には、1を変えるのは最短半期、通常1年〜3年に1度、あとは2と3を調整し続けることになる。この構造の種類は例えば以前書いたこのブログにあるようなものになる。特にここで言うメンタルモデルのストラクチャーにおいては、自分も含めて日々調整していく必要がある。

移行期の難しさと意義

構造として表現すると非常にシンプルになりわかりやすくなるのだが、一方でいつも難しいなと思うのは、移行期だ。というか、完成は無いので、常に移行期みたいなものである。ある意味、中途半端な構造が常にどこかに残り続けるということになる。

中途半端な構造というのは、まだ理想に変化しきっていない状態なので、非常に居心地が悪い。だから不満も感じやすい。だが、中途半端で不安定な状態というのは、ある意味変化、成長のチャンスとも言える。不安定だからこそなんとかしようと考え、行動して変えようとする。

そう考えると、変化をしていくために構造に手を入れていくということは、常に中途半端で不安定な状態を保ち続けるということなのではないか。プロダクト開発も世の中も非常に複雑で一寸先は闇である。そうすると考え続け変化し続けるしかない。

チームトポロジーにかかれている理想的な構造を通して、その状態に変化していくために常に移行期を作り続けることがマネジメントとして大事なのではないだろうか。