思考と現場の間で

「いいサービスづくり」のために、組織づくりやソフトウェア設計など、考えていることを書きます

2020年の振り返り

2020年が終わります。1年前には想像しなかったような変化がありましたね…。

個人的な振り返りをしてみようと思います。

総括

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全体としては想定外ばかりでした(笑)。主にコロナが原因ですが、全体としてやろうとしていたテーマであったプロダクトづくりはあまりできない結果になりました。その代わり、コーチングは想定の何倍もやらせていただく機会を得ることができました。結果的に、今いる会社でやっている人材育成領域にどっぷりという感じの1年になりました。そこまで本位ではなかったですが、初めての経験ばかりで発見が多く、今後に活きる1年になったと思います。

コーチングは320時間やらせていただきました。クライアントは、昨年はエンジニアが多かったのですが、今年はビジネス側のマネージャーや経営層までやらせていただき、貴重な機会をいただきました。

2020年初のブログで書いたことがどうだったかを振り返ってみたいと思います。

①プロダクト創り、プロダクトマネジメントを突き詰める

ここは不本意ながらあまりできませんでした。今いる会社の方向転換からくるもので、個人的には残念でしたが、状況が状況だけにやむを得ないと思っています。その代わり、人材育成のサービスづくりや、コーチングもたくさんできたので、良しとします。

②個人から組織の学びへ

こちらも、状況が変化したことによりあまりできませんでした。ただ、来年のテーマにします。

③クラシック音楽サービスの時間を増やす

こちらは前にすすめることができました。デプスインタビューをしたり、企画を考えたり、実際にプロダクトを作り始めています。来年は、他の方の手もお借りしながらより前に進めていくことにしました。個人的にはワクワクするチャレンジです。

クラシック音楽業界はコロナで壊滅的な状態になっています。コロナ後を見据え、この不可逆的な変化を活かせるようなサービスづくりをしていこうと思っています。

④自分で決めるからもっとボッチへ

完全に個人の学びに徹することができたので、かなりボッチ感がありますw。徐々に普遍的なことも理解できるようになってきました。

⑤時間の使い方を変える

娘ができたので、早寝早起きの習慣ができました。どんどん娘が可愛くなってやばいです。

その他

今年はコーチングでたくさん皆さんに向き合わせていただきました。相手は自分の鏡と言うものですが、結果的に自分とも向き合うことにもなりました。コロナの変化と時間ができたこともあり、本を読んだり考えることも多くなった。仲間とのディスカッションも含め、人間とは何かというのを考え続けた1年でした。

そうすると、少しずつ普遍的な部分が見えてきました。

これは現時点での解の一つですが、言葉にすると当たり前のようなことをするのが難しいのです。無意識なバイアスや思い込みが邪魔して自分とは何かがわからない。人は想像以上に環境や他人の価値観に左右されてしまう。

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

  • 作者:山口 周
  • 発売日: 2020/12/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

最近この本を読んでいます。資本主義という仕組みにおける無限の成長という概念が限界ではないかという話を中心に書かれています。資本主義の仕組み自体に罪があるわけではありませんが、資本主義の仕組みを最大限に活用した、戦後の高度成長期の考え方を無意識に当たり前だと思い、適用しているのではないかと感じることが多くあります。特に、自分自身に。

それはつまり、資本主義という自分以外の価値観に決定権を委ねている状態です。高度成長期のように全体としてうまく行っていればまだしも、今や365日働き続けたとしても資本主義的な成功するとは言えない中、その価値観に委ねていると苦しくなってくる。

だからこそ、成功の定義や生きる目的を自分自身で紡ぎ出し、自分で決める必要がある。となると、ありのままの自分とは何かに答え続けられるか?どんな環境でも、周りに何を言われても、その自分のままで常にいれることができるか?ということが問われることになります。

私はビジネスマンを中心にコーチングをしているので、苦しんでいる方々の共通点はここに集約されると感じています。これは、資本主義から逃げろという意味ではなく、その仕組みの中でも、完全に委ねるのではなく、自分とはなにか、そして自分で決める部分はどこかという問いに向き合えるかどうかで、ビジネスマンとしても個人としても人生が変わってくるということです。

ここでは、資本主義を例にしましたが、家族との関係での悩みや世間からの承認欲求の強さによる苦しみなどでも、自分以外の何かに意思決定や評価を委ねることによって苦しんでいるのではないでしょうか。

自分を知り、その価値観に基づいて、自分で決める。高度成長期では一部の経営者のようなリーダーにしか必要としなかったことを、多くの人が要求されるようになってしまった。それは難しい時代になったとも言えますが、誰もが自分自身の面白い人生を生きることができるようになった、嬉しい時代になったと言えると思っています。

来年も引き続きこのテーマを自分に問い、より深めていきたいと思っています。

では、良いお年を!