思考と現場の間で

「いいサービスづくり」のために、組織づくりやソフトウェア設計など、考えていることを書きます

2021年のふりかえり

あっという間な感じもするし、長かった感じもする1年。2018年からこのブログで1年のふりかえりをしていて、改めて読んでみると、変わってないこと、変わっていること、色々考えさせらます。これあと10年20年続けていくと何を感じるのか楽しみなので、引き続きやってみようと想います。

今年のはじめに書いたブログがこちら。

www.tsuyok.work

総括

畑を耕し、種を撒き、肥料を入れ、芽を出す1年にできたのでは??

今年からフリーランスとして活動を始めました。フリーランスのいいところは、多くのことを自分で選択できるところです。その代わり結果を自分だけで受け入れなければなりません。だからこそ、しんどいところもありつつ、自己効力感は今までで一番高いと感じます。

これは、昨年のふりかえりで書いた、山口周さんの本からもつながっています。会社員という枠組み、資本主義という枠組み、承認欲求という枠組みからある意味自由になろうとすることで得られたものかもしれません。自由になるというのは、その枠組の外に出るという意味ではありません。上手く付き合ったり、ハックしたり、時には距離を置いたり、自分で決めるということです。

そういう意味では、ケン・ウィルバー的にいうとオレンジ、ロバート・キーガン的に言うと第4段階に足を踏み入れた年だったのかもしれません。私から見える景色は大きく変わりました。

ただ、この1年でなにか成果を上げたか?というと全然そんなことはなくって、せいぜい種を撒いた程度です。でも、今後が見えたことがたくさんありました。これは、自分で選択するというインパクトだと感じます。誰かに与えられたものではなく、自分で決め、失敗し、自分で改善した結果がそのまま返ってくることで、考えざるを得ないんですね。些細なことのように思うのですが、手触り感の違いに驚きました。

やりたいことについてのふりかえり

クラシック音楽サービスを創る

いままでで一番時間とお金を投資しました。結構作ることができた。ただ、何も成果は出ませんでした。サービスとしてはまだ何も上手く行ってない感じです。

ただ、今回やってみて、学ぶことができてきたと感じます。やはり、組織マネジメントもプロダクトマネジメントも、やってみないとわからないことだらけです。今回の失敗をありのままに受け止めて、次の段階の構想を今年やってきたことよりはレベルを上げて考えられるようになりました。

来年は大きくコンセプト拡張をして、サービスとして大きく飛躍できる予感がします。20年以上やってきての悲願です。もっと時間を使っていこうと思います。

②エンジニアリングマネジメントに携わる

やることができました。こちらも学びが多かった。そして仲間ができた。変化も作れました。

今回初めてやってみたのは、個人の人材開発を組織マネジメントに活かしたことです。組織マネジメントというのは、基本的に組織の様々なストラクチャーを動かしていくのが基本ですが、すぐにストラクチャーに手を下すことができないので、まずは個人だけに向き合ってみました。

その結果、関わった方々は本当に成長しました。正直驚きました。その結果、ストラクチャーにも手を入れることができるようになってきています。大きな変化を感じます。

個人に向き合うとは何かというと、コトを通して、相手の内面と向き合うことです。これは組織マネジメントでコトに向き合っているだけではなかなかやれるようにならないこと。チームボックスでの3年間の経験は本当に大きかったです。

③心理学を学ぶ

10月から成人発達理論のマスターコースを受けることができました。これはかなりインパクトがありました。垂直的成長も大事ですが、知識も大事。発達心理学が広くて深くて全体を認知すらできない状態だったのですが、終わってみると発達関連の書籍が読める感覚になっていたし、コースでは課題が多かったので、毎日学習の時間を作っていたのですが、今も続けています。

同時に、人間の成長発達を全然知らないし理解できてない、ということを学ぶことができました。無知の知です。これは相当大きい。自分の空白地帯を見つけてしまったので、埋めたくなってきちゃう。学びたくなってきちゃいました。

私のコーチングにもいい影響を与えています。引き続き、学んでいきたいともいます。

言語化に取り組む

これは全然できなかったぞ…。ほぼやろうともしなかった。ふりかえってみると、フリーランスになって必死だったのかもしれません(言い訳)。最近このブログに連続投稿しているわけですが、これは成人発達理論のコースの学習を続けているからであって、年始に「言語化に取り組む」と書いていることすら忘れていました笑。

3日坊主的に年末年始になると言語化したくなります。そして、このブログにちょこっと書いて忙殺されてやらなくなる。これを毎年続けている。今回学習の時間を続けているので、あまりやらなきゃ!てきな目的意識をもたず、ルーティンで学習を続けてみて、結果言語化している、みたいな状況を作ってみたいと思います。

その他新たなこと

プロダクトマネジメントを始めた

自分のプロダクトもそうですし、関わらせていただいている会社でも、プロダクトマネジメントっぽいことをやらせていただいています。その中で、プロダクトを事業としてどう位置づけるか、どう価値を積み重ねていくかということに触れさせていただいていて、これまでやったことが無かったので、個人的にインパクトがありました。

ふりかえってみると、自分自身そこまでユーザ価値や事業、ビジネスモデルについて考えたことが無かったなと。その理由は、実践する場がなかったからです。本を読んだりすることはできるものの、手触り感が無かった。今回、色々な課題に取り組み、よくわからないなりにも会話や結果から学んでいったところ、事業というものがおぼろげながら見えてきた感があります。

とはいえまだ入り口なので、来年はもっと特化してやっていきたいなと思っています。

小さい会社の経営に参画できた

チームボックスやその他関わらせていただいているメンバーが十人前後の会社で、経営の意思決定に関わらせていただいています。そこへの僕の意思があるわけではなく、流れ的に関わり始めたのですが、学びが多くありました。

小さいと社長が強ければ回っている会社が多いのではないかと思うのですが、私が関わっている会社は、いい意味で社長が全然強くない。全員が動くことで成立している会社でした。

だからこそ、小さいながらも全体を俯瞰し、未来を考え、意思決定したり設計をしていくということを社長以外のだれかもやらなければならない。トップダウンで決められるわけではないので、喧々諤々の議論をして学びながら、意思決定の質を上げていくプロセスは面白かったし、学びがありました。あと、小さいから全体や未来を俯瞰しなくていい、目の前のことだけをやっていればいい、というのは無いですね。大企業も中小企業も同じです。

これは来年も引き続きなので楽しみです。

娘がかわいい

2歳になりました。言葉をしゃべるようになりました。なんなんですか、このかわいい生物は。目の中に入れても痛くないという言葉、心から共感します。

 

やっぱりふりかえりって大事だ。もともと考えてなかったことが言語化できた感があります。この1年は大きくインパクトがありました。フリーランスになったというのはおそらく表層で、そこに行き着く過程や自己決定、そこを超える不安から踏み出したこと、など、色々な内面的な変化が起こった1年でした。そういえば、決めたときは不安だった。そんな感覚も忘れてしまっていました笑

来年はもっと面白いことが起きそうなので、好奇心をもって、でも焦らず、失敗を厭わず、学んでいきたいと思います。

皆様、良いお年を!