思考と現場の間で

「いいサービスづくり」のために、組織づくりやソフトウェア設計など、考えていることを書きます

アジャイルコーチとシステムコーチング

知り合いの尊敬するシステムコーチング(ORCS)のコーチの方に、ORCSのコースにアジャイルコーチの参加者が増えてきたからアジャイルコーチとは何かを知りたいので、記事を紹介してほしい、というお話を頂いて、僕も改めて調べてみた。例えばこんな記事があった。

www.infoq.com

アジャイルコーチは技術を扱う場合とチームを扱う場合、あるいは両方の場合があると思う。主に後者を扱う場合、アジャイルのプラクティスの本質やあるいみ正しさ、を直接伝えるだけではなく、自分で考えられるような方法でコーチングをしていくことで、Be Agileなチームや人に変容させていく、というのは想像に難くない。

とはいえ現実的には、チームにある問題というのは、アジャイルラクティスだけで解決できないような周辺の課題がある。そこでチームビルディングなどの色々な手法を使って、関係性を取り扱ったり認識を整理したりしていくことが多い。

ただ残念ながら、チームビルディングのような手法を使い、外面的なアウトプットばかりを取り扱うだけでは、チームの根本的課題、例えば関係性や感情などを解決に向かわせるのはかなり難しい。アジャイルコーチによっては、あえてその辺は取り扱わないようにしている人もいるのではないだろうか。

そこで、システムコーチングのような手段が学び始められていると思う。チームの関係性であり内面を取り扱うことでのチームの変容を目的としてだ。実際やれるとかなりインパクトがある。そもそもBe Agileとは、変容し続けることとも言える。おそらく、ORSCもアジャイルも目指す姿は重なっている。私もORSCのコースを受けてみた実感としても思う。

変容というゴールが近いのであれば、今後、成人発達理論をベースとしたティール組織の考え方からインテグラル理論、そもそもチームは個人の集合体であるため、成人発達理論や個人コーチングでの垂直的成長及び内面の取り扱い、も徐々に含まれてくるのではないだろうか。基本的にチームの問題というのは、何かしら見えない壁があることが多いためだ。これは実際成人発達理論を学んできてもつながる事が多く、実感と一致する。とても楽しみだ。

ところで、アジャイルコーチの方々ORSCを学んでいる事自体が素晴らしいと思う。自分たちの範囲を超えて、アジャイルとは別の領域に踏み込み、学ぼうとしている姿勢は、まさにBe Agileを体現していると思う。そういう方々は本当にリスペクトしている。