マネージャーの仕事は管理すること?
マネージャーは、日本語で「管理者」と訳されることがありますが、管理という言葉に「コントロールする」というニュアンスが含まれており、どうしても部下(という言葉も上下関係を感じるため私自身には違和感がありますが)や組織を思い通りに動かそうとします。
ただ、業務を実行するのはメンバーであり、マネージャーではありません。メンバーの立場になった時に、言われたことをするだけで成果がでることはほぼ無いことは実感があるのではないでしょうか。
やる人が意思決定したほうがモチベーションもパフォーマンスが上がる
自分で考え、意思決定したことがそのまま成果になる。その数と量を増やしていければ、成果も増えるはずです。マネージャーがすべてをコントロールすると、脳みそは1つ。10人メンバーがいれば脳みそは11個使うことができます。となると、組織的にはいかにメンバーが考える幅を広げていくか、これが組織の強さを作ると言っても過言ではありません。
コントロールしてしまうと、メンバーは「実行すること」が目的になります。実行ではなく、目的を達成する事がミッションなはずです。手段は無限にあります。人によっても成果がでるアプローチは違う。もっとも最適な方法はやる人本人が決める方がパフォーマンスが良いはずです。また、自分で決めたことをやったほうがモチベーションも上がります。
「不安定な部分」を作ると考えざるを得ない
では、どうすれば考える余地を増やせるのでしょうか。それは「不安定な部分」「曖昧な部分」を作ることです。すべてを安定させ決めてしまうと実行するだけになる。不安定な部分を作ると、安定させようと自分で考えて実行せざるを得ません。
そして、安定させられない部分があるとすれば、実力不足。それを埋めようと成長しようとします。時間が限られている中埋めようとするには、自分で目的を考え、知恵を出し、計画を立て、実行する。うまく行かなければ変更する。それを常に繰り返すことができる。組織も成長しますし、アウトプットの質も上がってきます。
マネージャーとすると、不安定な部分を作るのは不安です。でも、自分がやらない以上、メンバーのためにも不安を押さえ、またすぐに成果が出なくてもある程度待ち、任せていくことが必要です。不安定な部分を作りながら任せる。大きすぎる失敗が起こらない程度に。マネージャーの力量が問われることになります。
メンバー自身が自分で考えて成果を出せる、成長できる、モチベーション高く仕事ができる。そんな環境を創っていきたいものです。