思考と現場の間で

「いいサービスづくり」のために、組織づくりやソフトウェア設計など、考えていることを書きます

フラットな組織にするならば「上のレベルに合わせ続ける」こと

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自律的に動くための「情報の流量」

自律的に動くための「情報の流量」 自律的に動こうと思った場合、何が必要か。情報という視点で分解してみます。

1.自律的に動くというのは、自分で考えて自分で決めて動くこと。
2.自分で決めるためには、判断基準が必要。
3.判断基準は情報そのもの。
4.角度を高くするには、情報量を多くする。
5.情報量を多くするためには、情報の流量を増やす。

「自律的に動いてくれないんだよ」と言う人に限って、必要な情報を流してないことがあります。情報が無いから判断できないのは当たり前。自律性の第一歩は情報の流量を増やすことです。

情報の流量を増やすにはフラットにする

情報の流量を増やすにはフラットにする ピラミッド組織の場合、上位層になればなるほど情報を囲い込み、下に流す情報を制限することで、限定的にしか動けないようにし、全体をコントロールするということをします。もちろんそうすると、自律性は損なわれます。

つまり、情報の流量を増やすには、「フラットにすること」が必要になります。出来る限り多くの情報に全員が触れられるようにします。そこでのポイントは、上位層がその情報の優劣を付けずに純粋な情報として流通させることです。上位層の判断が入ると、そこにコントロールが生まれます。優劣の判断は各メンバーが行い、話しあえば良いのです。

フラットは平等ではなく機会均等

フラットは平等ではなく機会均等 「フラット」という言葉を使うと、「平等」と勘違いする人がいます。ここで言う「平等」の定義は、「順位をつけない」ということです。一時期、順位を付けない徒競走を行っていた学校があったそうですが、そういう感覚です。例えば、結果が出なくても新規事業がやりたければできる、誰かに判断されることはない、自分で全て決められる、というイメージです。

お客様に高い価値を提供し続けるためには、それでは立ち行きません。企業活動は「平等」ではなく「機会均等」であるべきです。全員にチャンスはある。ただ、結果の質は周りから評価される。常にやりたいことができるわけではない。順位は明確に付く。

常に「上に合わせ続ける」ことを意識する

常に「上に合わせ続ける」ことを意識する 組織単位でもチーム単位でもそうですが、フラットにし全員に発言権が与えられると、どうしてもレベル差が出て、会話が噛み合わなくなったりします。その場合、全員が理解できるようにするために、「下のレベル」に合わせてしまいます。そうすると、概ねチーム全体のレベルが下がっていってしまうのです。

そのため、フラットにする場合、意識的に上のレベルに合わせ続けることが大切です。下のレベルの人が理解できなかったり進められなかったりしても、そのスピードには合わせない。フォローは別途行う。上の人のレベルを常に目指してもらうようにする。そうすることで、チームは常に向上します。

これは重力に逆らうような状態になり、結構パワーが要ります。楽なので、下に合わせたくなります。だから常に自分自身も含めて下に合わせてないか、合わせてもらっていないかを意識し、上に合わせるために力を入れ続ける必要があります。

フラットというのは楽になることではありません。常にお腹に力を入れ続けているような状態になります。結構しんどいんですよね(笑)。