思考と現場の間で

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1on1における問いの効能

1on1 Advent Calendar 2019 の9日目の記事です。

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1on1はどちらかが一方的に話すのではなく、主に「問い」によって進められると良い時間になると言われています。ではなぜ「問い」が良いのでしょうか。問いの効能について整理してみようと思います。

人は思い込んだり視点が偏りがち

例えば、失敗したときや何か自分にとって大きな影響を受けるような出来事があったときに、頭の中がそれに囚われてしまうことがあります。これは、このように焦点が単一で、一つの方向から事柄を見ていることに起因しています。

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このように、人はどうしても思い込んだり視点が偏りがち(バイアス)になります。これは、人は同時に2つ以上のことを捉えられないことに起因しています。そのため、最近起こったことや目の前で起こっていることに目を奪われ、袋小路に悩んでしまいます。

そこで大事なのは、焦点の移動です。焦点の移動のために、問いは力を発揮します。

問いは焦点の移動のためのツール

問いによって以下の図のように焦点を移動していきます。自分ひとりでもできますが、他の人のサポートがあったほうが簡単です。なぜなら、他人は自分とは別の視点で問いを投げかけることができるからです。

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移動させた焦点が見たことも考えたこともなかった場合、質問された側はハッとさせられます。その初めて見る景色(焦点)が、どんな風に見えるのか、どんな意味があるのか、考えさせられます。

人はわからない状態を嫌がります。わからないという空白が生まれると、埋めたくなり必死で考えます。そして答えが出ると、それが新たな気づきになります。よく相手が長考すると良い質問であると言われますが、それはこのようなプロセスによるものです。

このプロセスを以下のように図にしてみました。

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これが問いから生まれる気づきのプロセスであり、問いが大事である理由です。1on1では連続して問いを投げかけ、広くかつ深い気づきを得られる場になることを目指していきます。

空白と焦点の質を高めるために「問いの質」が問われる

問いから気づきのプロセスを何度も行っていくのですが、より良い気づきを得るために必要なのが、問いの質です。試行錯誤をしながら1on1の場数を踏む必要があります。

では、どのような問いで焦点を移動させれば良いのでしょうか。私自身は具体的な質問を用意しているというより、感覚的に捉えるほうがうまくいくので、ちょっと抽象的か書き方をしてみます。

  • 5W1H
    • 普段からよく使う質問ですね。もちろん1on1でも有用で、上手く使うと焦点を動かすことができます。
  • 比較
    • 自分の過去と未来の比較や、話している内容の比較などから新たな焦点を得ます。
  • 感情
    • 嬉しい、楽しい、怒りなどの感情です。感情は気づきにくく言葉にできない場合も多くあります。その際は、感情カードなどを使い、近いものを選んでもらったりします。自分の新たな感情に気づいたり、深堀りすることで新たな焦点を得ます。
  • 感覚、身体性
    • 感情とも重なりますが、自分の体の状態を、場所や強さなどを含めて言語化します。普段意識することが少ないため、新たな焦点を得ることができます。
  •  メタファー、例え話
    • 人は想像することができるので、現実に起こっていないことも考えることができます。たとえ話や、現実の事象を違う言葉に置き換えて表現することで、新たな焦点を得ることができます。
  • 仮想「タイムマシン」
    • 頭の中では時間を移動することができます。自分自身が10年後どう思っているか、過去どうだったかなど時間を移動することにより、焦点を得ることができます。
  • 仮想「幽体離脱
    • 自分自身を客観的に見るために、幽体離脱してみると新たな焦点を得ることができます。例えば、自分を雲の上から見てみたり、目の前のコップを自分自身と例えかけたい声をかけることなどにより、自分を客観視した焦点を得ることができます。こう書いてみるとくだらないような感じがしますが、思いの外効果があることが多くあります。
  • 仮想「他人になる」
    • 自分が上司だったら、自分が尊敬している人だったらなど、誰かに成り代わることにより新たな焦点を得ることができます。

これが全てではなく他にも多くのポイントがあります。そして、適切なタイミングで適切な内容の問いを投げかけることにより、気づきの質が上がります。そのために、焦点と空白の質を上げる努力をし続ける必要があるのです。

焦点を移動させるのにフィードバックも効果的

他の方からアドバイスを貰ったり、本を読むことで気づきを得られることも多いのではないでしょうか。このように、自分が知らない新たな情報を得ることによって、新たな焦点を得ることもできます。

つまり、1on1ではフィードバックも効果的です。

「1on1する側の視点で相手がどう見えるか」のようなフィードバックをするには常に相手を観察してる必要がありますし、例えば「心理学からヒントを与えるようなフィードバック」をするためには知識が必要です。

その際にはただ答えを教えるというよりは、示唆を与えるようなフィードバックをするように心がけてください。そうすることで、問いと同じような思考の空白を作ることができます。

コーチングハンドブックがオススメです

このような1on1のヒントを得るには、コーチングハンドブックという本がおすすめです。論理的にわかりやすくコーチングの全体像が書かれていますので、興味をお持ちになったら是非読んでみてください。このエントリーもこの本を参考にして書いています。

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体験された方がブログを書いてくださいました。こちらも参考にしてくださいませ。

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