思考と現場の間で

「いいサービスづくり」のために、組織づくりやソフトウェア設計など、考えていることを書きます

保留することの意味

以前、エンジニアリングマネージャーになっている友人たちと話していると

「1on1(など)で、課題に対して話していると、その場で解決したくなる」

ということを言っていて、みんな共感していた。でも実際は、その課題はすぐに解決される(できる)こともなく、中々前に進まずにもどかしいとも。たしかになあと思った。

コトの課題も、ヒトの課題も、大きかったり根深かったりすればするほど、すぐには解決しない。一方で、組織や社会の課題は、基本的にヒトしか解決できない。ヒトは機械と違って、自分で考えて自分で動く。プログラミングのように命令しないと動かないわけではない。

つまり、自ら課題を解決できるように「待つ」必要があるということだ。目の前に課題があっても「保留」する。あえて結論を出さない。その代わり、イシューや問いを掲げておく。そうするとヒトは考えたくなる。動きたくなる。そうすると、自ら解決に動いたりする。

ただこれは、そこそこ胆力が必要だ。目の前に課題があると、解決しないと気持ち悪い。その自分の状態を自己認識して、少しだけお腹に力を入れて保留する。それもまた、自分との戦いとも言えるかもしれない。