昨年(2024年)、ティンパニを3台、個人輸入してみまして、諸々の輸入に関わることが面白かったので、ブログにしてみました。
半年くらい使ってみたところ、4台目もあってもいいなあ、と思い始め、23インチのティンパニを買ってしいました。前回は輸入通関手続きを通関業者さんにお願いしてしまったのですが、今回は1台だし自力でやってみようと思い、そのあたりも含めてブログにしたためてみます。
思ったより簡単にできることがわかったので、輸入をご検討の方は是非参考にされてください。
まずは楽器の購入と支払い
今回もthomannというドイツの楽器店で購入です。
相変わらず、返信は早くスムーズ。英語はChatGPTでスムーズ、ということでノーストレスでした。
前回と違ったのは支払いです。前回は3台で金額が大きかったからなのか、個人ではなく事業者だと思われていたのかわかりませんが、ドイツ銀行への振込でした。振込の場合は海外送金する必要があるため、三井住友銀行から若干苦労しつつ送金しました。
ただ今回はクレジットカード。ポイントも付くから前回もそうだと嬉しかったな。
Pay nowから普通にクレカ処理。そしたら何回やっても失敗するという。クレカ会社に電話したら、不正アクセスの可能性があると判断されたため、止まりましたとのこと。この購入だけでなく、クレカ自体が止まってました。危ない、電話してよかった…。まあ、ドイツのサイトから買い物したことないからまあしゃーない。
この購入は私自身なので大丈夫、と電話で告げ、無事ロックを解除、その後購入処理が完了です。
船が決定し、後は待つ
このように連絡が来ました。1ヶ月半くらいですね。
NYK VENUS
ETD: 15.04
ETA: 04.06 Tokyo
前回と同じように、船の名前で今どこにいるかを追えます。前回ほどではなかったけど、ちょくちょく見ていました。
東京港への到着状況はこちらのサイトで見られます。今回興味深かったのは、到着が6月5日でほぼ予定とブレなかったところです。夏秋は台風があるし、冬は比較的海は荒れるし、春ごろは海が安定しているのかもしれません。前回は9月だったので、台風も直撃し、2週間ほど遅れました。船便で何かを輸入する際は、春が良さそうです。
輸入通関手続きについて調べる
近づいてきたので、輸入通関手続きについて調査です。
①楽器を運ぶ車を決める
前回の経験から、まずは車をどうするかを考えねばなりません。そこで、パッキングリストからサイズを確認し、「120x87x87cm」とありました。
私の車、ルーミーを見てみたところ、かろうじて乗るサイズでした。23インチなのになんでこんな大きいんだろうな、と不思議に思いつつ、ギリギリで乗りそうなので、自分の車で運ぶことに決めました。
②自力での輸入通関手続き方法について問い合わせる
とはいえ、手続きは自力でできるのか?はかなり疑問だったので、色々調べました。税関に相談室というのがあるようなので、まずは電話です。最終的には下見に行ったほうがいいかも、と思っていました。
電話して聞いてみたところ「簡単なんで、誰でもできますよ。初めてだったら細かく教えますので、ご自身でやって良いと思いますよ。下見に来てもらう必要はありません。」と、自分でやることを勧められました。できるイメージは湧いておらず、通関業者にお願いしようかと半分以上考えてたので、意外でした。最終的にはこの方の後押しで自力申請を決めました。
あと、東京税関大井出張所のGoogleMapの口コミに、親切に教えてくれ申請できた、というコメントがありまして、それも決めた要因の一つになりました。
輸入通関手続きの準備
手続きの下準備として、船会社さんに手続きに必要な金額を振り込みます。ARRIVAL NOTICEという書類に金額が以下の通り書いてありました。26,511円で、消費税を除くとこの金額だけでした。通関手続きを業者さんに頼むと、プラス8万くらいかかるので、これで済むのはだいぶ節約になりました。
次に、必要書類を印刷。念の為、去年の輸入申請書類も印刷していきました。
東京税関大井出張所へ
書類を見ると管轄はこちら、とのことなので、直接向かいました。ほんとに手続きできるのか?このときはドキドキしていました。
受付に行き、手続きは初めてという話をしました。目があった若めの方とお話をして、用意した書類を出し、指示どおり別の書類を書きました。申請しましょうということで、パソコンの端末まで行き、まさに手取り足取り教えてくれました。去年の申請書類も持っていったので、説明が楽でした。
無事申請は受理。予想通り検査が確定とのことなので、倉庫から品物を出してきてくださいと言われました。当初はお台場にある車のままX線検査ができる場所を指定されたんですが、思いの外品物が小さいことを理解いただけたので、大井出張所ですぐに検査となりました。全然簡単、時間かからんやん。
楽器を倉庫に取りに行く
前回同様、三井倉庫さんへ取りに来ました。担当の方も同じで、とても楽でした。
倉庫の方に必要なことを聞く中で、D/O LESSを印刷してくるのを忘れていたことに指摘で気づきました。無いと搬出できません。
近くにファミリーマートがあったので、そこから印刷しようと思ったのですが、船会社さんにメールしたらFAXしてくれるとのことだったので、事なきを得ました。Fax文化恐るべし。まあ便利だよな。Faxが無くならない理由を一つ実感しました。
ということで積み込みです。
担当の方が、「どんな車ですか?ほんとに乗るか心配なので一緒に行きます」と言ってくれて、車もモノも確認してくれました。モノを見たときに盲点に気づいたのは、パレットです。そうか、パレット付きなのかと。
前回は検査後に引き取りだったので、パレットを取ってかつ引き取ってもらって積み込んだのですが、検査するのでパレットは外せないと。一瞬これは積めないかも、と落胆しました。
ただ、近くに行って見てみると、思いの外楽器が小さい。ここで理解したのは、パッキングリストにある寸法(120x87x87cm)はパレットも含めた寸法だったわけです。基本的なことを理解できてなかった…。
ということで、幸い積めました。フォークリフトの運転手さんが上手すぎて手作業全く要らず、そのまま車に積み込みです。
余談ですが、自力で輸入をする場合、パレットは自力で処分する必要があります。捨てるなら産業廃棄物になるそうで、そこそこ面倒+お金がかかるようです。今回は知り合いが仕事で使うとのことで引き取ってもらいましたが、それがなければどうしようか悩んでました。
もしかしたら倉庫に頼めば引き取ってくれたかもしれません。次やるときは頼んでみよう。
担当の方が来てくれて助かりました。お忙しいところ申し訳ない、とお話したところ、船が着く日ではく、時間があったので来れました、とのこと。ありがたやです。
検査へ
大井出張所の裏に行き、検査場へ。税関の方も一緒に手作業で楽器を下ろしました。まずは機械を使ったX線検査です。その後、箱を空けさせてもらっていいですか?と言われたので、もちろんOK(Noと言ったらどうなるんだろ)、空けて確認してもらいました。
中身を見て、布のようなもので楽器を拭き取り、薬物が無いか確認するのと、不自然に色々聞かれました。ティンパニですか?どこに置くんですか?どれくらいの頻度で使うんですか?どこで買ったんですか?など。別に怪しいこともないので、ノー天気な感じで答えてました。
検査は無事通り、消費税をペイジーで払い終了。全部で1時間半くらいで終わりました。超簡単。手続きよりも運ぶ車や人の手配のほうがめんどいくらいです。
積み下ろしと開封の儀
1台なので自宅にて開封。
ということで、無事に到着しました!
4台置く倉庫 & 車の積み込み
4台置く倉庫を整理しました。面積的には3台が限界なので、縦の空間を使うことにしました。一旦置いてみたものの、大地震対策ができている感じが無いので、改善の余地大有りです。
ラックはこちら。バリエーションは多いし、重くなく組み立ても楽だし、耐久性も楽器の重さくらいだったら充分だし、中々良いです。
次に、4台ルーミーに乗るのかです。結論乗りました。23インチを助手席に載せました。ルーミの助手席のドアは車にほぼ直角になるくらい開くので、助手席側から乗ります。1人でも乗せられました。
後ろに3台は乗ることがわかっていたので問題なしです。ただ、スタンド類や台車などが乗るスペースが少なく、どう組み合わせるときれいに乗るかは模索中です。ティンパニの上に乗せるしかないのですが、できれば避けたい。
あと、4台を1人で積み込むのはかなりしんどい。時期的にも汗だくです。3台は体力的に大丈夫になったので、4台も慣れなのかな。わからない。時間と労力は倍くらいになっている感覚なので、もう少しなんとかしたい。
この乗せ方だと当然チューニングは狂うので、練習前に調整したいんだけど、時間が取れないのが課題です。あと、楽器にどれくらい負荷をかけているのかも未知数なので、ずっとこれでいけるのかは謎です。歪んでしまう怖さが常にあります。
とはいえ、自分持ちで全責任は自分で持てること前提で、ここまでポータブルに移動できるというのは大きな強みです。音も気に入っているので、今後よりこの4台を活用していきたいと思います。
今後やってみたいこと
まずは腕を上げることですね。演奏は全然だめです。なので、レッスンしていただくことにしました。ゼロから見直してこの1年〜2年で個人的な納得の最低ラインくらいまで近づければなと思っています。
あとは、音が出るメカニズムを知るために、マレットを自作してみたいです。自分で作ったものを使うかどうか以前に、マレットはどういう仕組みで、どう作るとどういう音が鳴るのか、というのは自分の演奏に対する解釈に直結すると思うからです。
最後に、ヘッド。プラヘッドでいくつかバリエーションを持っておくのと、可能であれば本革を貼ってみたい。来年ベートーヴェン前後の時代の曲をやることのなれば、チャレンジしてみたいですね。お金はかかりますが…。
ということで、部分的にも何かのお役に立てると幸いです。輸入はとても簡単なので、日本で買えない(もしくは高い)楽器を購入したい方は是非やってみてください。オススメです。