思考と現場の間で

「いいサービスづくり」のために、組織づくりやソフトウェア設計など、考えていることを書きます

1on1を有効活用するための準備

f:id:tsuyok:20180513223041p:plain:w300

1on1の効果は高い。でも、ただ話していれば良いわけではない。その場をどう作るかを定義付けし、準備をすることで効果を最大化することができる。大事な日々の仕事の時間を使うわけだから、効果は高いほうが良いわけで、どのようにすれば良いか整理をしてみる。

①1on1の目的を明確にする

全てにおいて、目的を明確にすると、より良い効果に向かう道筋が最短距離になる。雑談であれば雑談でも良い。そのために何を得たいかを明確にしよう。 前提として、1on1の目的は、大きく分けて3つに分けられる。

  • 課題をヒアリングし、抽出する
    • ソフトウェア開発やホワイトカラーの課題は、人の頭の中にしか存在しない。見てわからないので、聴くしか無い。
  • やりたいこと、やるべきことを明確にする
    • どこに行きたいか、ベクトルが明確で無いと、日々が行き当たりばったりになる。何か課題があれば、そのためにどうするかも話し合うと良い。
  • 前に進めるためにコーチングを行う
    • ベクトルがあるだけでは前に進まない。行動や変化を継続する必要がある。

まずは、この3つのどれなのかを決める。それだけでもある程度絞れる。もちろん、複数の場合もある。

「どのような状態になっているとGoodか」を明確にしよう

その後、より目的を具体化する。1on1終了後に相手や自分が「どのような状態になっているとGoodか」というのを想像、言語化しておこう。

1on1の時間を有効活用すると、何か2人の間で変化しているはずである。どのような変化を起こすのか「〜の状態」という形で想像することでイメージしやすくなり、行動も起こしやすくなる。

人の興味や、対峙している課題は日々変化する。その都度の状態と未来のベクトルも含めてしっかり見極め、毎回の1on1を有意義な時間にしよう。

②伝えること、質問を準備しておく

「〜の状態」という目標に向かうために何をするかを準備しておこう。時間が無ければ5分くらいでEvernoteなどに箇条書きで書いているだけでも違う。大きく分けて、以下の3点を考えておくと良い。

  • 質問
    • 人は問いによって頭が整理されたり、普段考えていないことが引き出される。できるだけ深い問いを沢山用意しておこう。
  • 伝えること
    • 何を伝えたいかを明確にしておこう。感謝や事実、たまには何か相手にとって辛いこともあるかもしれない。辛いことは言い方一つで捉え方が変わるので、しっかり準備をしておこう。
  • 時間配分
    • 「〜の状態」に到達するには、手順が必要だ。ストーリーをイメージして、いつのタイミングで何を伝えるかをイメージしておこう。

時間があれば、頭の中で色々なパターンのイメージトレーニングをするのも有効だ。その通りに行くとは限らないが、想定するとしないでは、その対応力も違ってくる。

③話したことは記録しておこう

特に相手の言葉は記録しておいたほうが良い。その後の1on1や会話の中で、そのときに出た言葉を引用すると、その動きが定着しやすい。

ただ話しているのパソコンをパチパチやってしまうと話しにくくなるので、ポイントだけパソコンを使うとか、ノートを取るとか、できるだけ記憶しておくとか、工夫をしよう。

また、自分自身が1on1でどうだったかもふりかえり記録しておくと良い。1on1を通して、自分自身も成長していこう。

必要なスキルや実践編はまたの機会に。