思考と現場の間で

「いいサービスづくり」のために、組織づくりやソフトウェア設計など、考えていることを書きます

チームになれる一つの前提条件

仕事柄、エンジニア以外の人とも一緒に働くことが多く、以前より多様性が上がって学びがある。強みとか過ごしてきた環境、性格で、考え方も仕事の仕方も大きく違う。困惑することも感心することも両方多く、なかなかいい環境だと感じる。
 
仕事は基本的にチームでやるわけだが、今も昔もいいチームとそうでないチームがある。チームになりやすい人となりにくい人がいて、それは明らかに分かれる傾向がある。なりやすい人はどんな人でもなれるし、なりにくい人はどんなひとともなれない傾向があるように感じる。
 
中でも、エンジニアやデザイナーの人が集まると、比較的チームになりやすい。対比として、彼らと仕事をすると、ものすごいやりやすいことに気づいた。共通言語云々もあると思うが、それ以外もあるように感じていた。これはなぜなのか、ずっとわからなかった。
 
先日、いけばなを5人でいけるというワークショップをやったんだが、これをやってわかったことがある。アウトプットを通して会話している。花についての会話をしているときは、人のことは話さない。自分のことも話さない。そういえば、これはいつものソフトウェアづくりと同じではないか。
 
エンジニアやデザイナー以外の人は、明確なアウトプットが常にあるわけではないので、普段はどうしても会話が中心となる。会話というのは人対人でやるわけで、常に矢印が他人になる。矢印が他人だと当然意見が対立したり、感情が見え隠れする。同時に自分にも向きやすい。相手は自分の鏡である。自分が感情的になれば相手もそうなるし、自分が承認欲求を出せば相手も出てしまう。
 
余談だが、油断していると、エンジニアリングマネージャーもそうなりやすいのではないか。人と対峙しているので、自分自身の感情の起伏にも気づいてしまう。アウトプットが明確ではないので、どうしても自分や他人に矢印が向きやすい。身に覚えがたくさんある。
 
いいチームの絶対条件というのは、共通の目的があり、共通のアウトプットがあることである。自分たちの外を常に見続けなければならない。多様性のあるチームであればあるほど、アウトプットを出し続けて、話し合うのはアウトプットやアウトカムについてにすると心がける必要がある。
 
もちろん、関係性も重要なので、人対人について話すときは場を作ればいい。でもそれ以外は、アウトプット出してそれについて話し、アウトカムに近づけるように力を尽くし続ける。
 
至極基本的なことなのだが、できていないことも多いように思う。個人の資質とは関係ない。何かチームがおかしくなり始めたら、アウトプットをし、アウトカムについて話をしているかを確認すると良いのではないか。