・人は自己能力の限界まで出世する。・無能な人はそのポジションに留まり、有能な人は限界まで出世するがそのポジションで無能化する。・組織の中では、まだ限界に達していない人たちによって進められ、機能していく。
大企業にいたときに、この状態を見かけたことが多くありました。自分自身は当時若く、年功序列なのでその真っ只中にいたことはありませんでしたので、何とかならないものか、と他人事のように思っていました。
その後年齢と経験を重ねるにつれ、自分自身がそのような状況になるというのは恐怖でした。とはいえ、状況からやらざるを得ないことも多くあり、何とか失敗しながら前に進んでいる、ということも何回か経験しました。当時、私自身ピーターの法則に当てはまっていたわけです。とてもしんどかったです。
特にベンチャーだと、目標が高く、変化のスピードが早いので、人の成長以上に環境が変化することが多くあります。そうすると、人材も多くない中、今までやったことが無い役割が回ってくることがあります。もちろんそれはチャンスですが、うまくやれないとピーターの法則に当てはまってしまうこともあるわけです。
逆に、例えばCTOなどの要職についていた人が、会社が成長軌道にのり、人数が増え目標も高くなることで、求められる役割が変わり、ピーターの法則に当てはまるようになってしまう、ということも多くあります。この場合、ほとんど本人に選択する時間がなく環境が変わってしまいます。
これは、その人の責任ではなく、自分で選択ができない中で、環境変化のスピードが早すぎることが大きな要因なのではないかと感じます。
人は時間をかければかならず成長していきます。ピーターの法則も、努力をし続ければ必ず解消できますし、やりようによっては時間を早めることもできる。そして、本人の責任ではないのですから、本当はしんどさを感じる必要もありません。