「効率化をしてほしい」とか、「もっと速く開発をしてほしい」とか言われませんか?自分としてももちろんそうしたいですよね。わかる。でも、その時によくやってしまうのは、
- もっと頑張ろう
- もっとスキルを上げてスピードを上げよう
など、人の能力に依存してしまう(悪く言うと精神論)対策をしようとしてしまうことは無いでしょうか。まぁ気持ちはわかる(笑)。では実際どうしたら良いのでしょうか。
その時に考えたほうがいいのは、この4象限です。
毎日作業に追われていてしんどいのは「①の緊急度も重要度も高い」作業が多くの割合を占めてる状態です。終わっても終わっても次から次に「今日中にやってください!」と言われるような状態。毎日終電になったり、体力的にも精神的にもつらい状況ですね。しかもいつまでたってもこの状況は好転しない。あー疲れちゃう。
ではどうすればいいかというと、このA〜Cを見てみてください。
これは何が言いたいかというと、以下のことをやるべき、ということです。
1. 緊急度が高い作業は減らす
2. 重要度が高い作業は増やす
3. 重要度が低い作業は減らし、無くすことを目標とする
ここで悩むのは「①の緊急度も重要度も高い」をどうするかです。緊急度が高い作業は減らし、重要度が高い作業を増やす、というのはとても矛盾している。
多くの人は、この矛盾に対峙することが難しく、なかなか①の作業が減りません。カイゼンしたいとずっと思っているのに、いつも追われている環境はかなり多いです。そのためには、
とにかく、まずは②の時間を増やすことです。②で行ったことは、徐々に①を減らすことに寄与していきます。例えば、
- 課題の整理
- 仕組み化
- 自動化
- 形式知化(ドキュメント化)
など、今すぐ効果が出ないかもしれないけども、手作業を無くしたり、大きな課題を解決したりすることに寄与することを行う。これを並行して続けていくと、徐々に①が減っていき、効率化されていきます。
無理矢理でも広くかつ時間軸を長く考え、作業する時間を確保する
②に時間を使うというのは、つまり投資です。いつもと違うことを考えたり、いつもと違う作業をする必要があります。例えばこのようなことです。
- 時間軸を広く考える(半年〜1年以上)
- 面積を広く考える(組織全体、会社全体など)
- 定期的に時間を取る(1週間に2時間など)
- たまにまとまった時間をとる(2週間②の作業をする、1泊2日で合宿をするなど)
なかなか時間を取れないという方は多いと思いますが、例えば上司に相談したり、組織的にまたはチームとして話すことによって、例えば週に2時間でも取ることは無理ではないのではないでしょうか。場合によっては、何か大きな仕事が終わった後2週間取るなど、まとまって②をやる時間を作る。それだけでも、カイゼンは進んでいきます。
1回やるだけでは大きく変化することはありません。大事なのは続けること。毎週、クオーターごと、半年ごとなど、ある一定のペースで行う。そうすることで、数ヶ月でも目に見えて変化していきます。
まずは無理矢理でも広くかつ時間軸を長く考え、作業する時間を確保してみましょう。
すべてのレイヤーで①と②を両立する
投資というと、例えば買って来る、お金をかけて他社にカイゼンをしてもらう、など自分たちとは別でやっていくという考え方もありますが、私はすべての人がすべてのレイヤーで①と②を両立しないと、カイゼンしないと感じています。それぞれのレイヤーで考えてみると、このようなことができるのではないでしょうか。
- 会社
- どこに投資をするか。予算配分や費用配分など
- 組織
- ①を多くやるチームや時期、②を多くやるチームや時期を明確にする
- 3ヶ月に1回、未来を考える合宿をする
- チーム
- 個人
- 勉強をするなど、自分への投資の時間を作る
- ツールを探す、作るなど、1日30分でも現状の作業でカイゼンできることが無いか探す
なぜ全レイヤーでやる必要があるかというと、レイヤーによってやらなければならないことが違うためです。一部のレイヤーだけでやると、結果的に別のレイヤーにしわ寄せが来て①が増えることがあります。
個人やチームがカイゼンを会社任せにしてしまったり、会社としても個人やチームにカイゼンする権限を与えてなかったりすることが多いかもしれませんが、出来る限り全レイヤーで②を増やしていく作業をするようにすれば、組織全体がカイゼンし変化し続けることができます。なんとか②を増やせるように働きかけたり、自分でやってみたりしましょう。
②を増やしていくことは、今無い未来を作るということ
②を増やしていくと、どんどん①が効率化していきます。少ない人数で行えるようになっていきます。短期的には効果がなさそうに見えても、総合的にはこちらのほうが効率が良いです。そしてより一層②に大きく投資ができるようになり、より今やってないことができるようになっていきます。今無い新しい未来を作ることができます。
日々、いろいろな作業に追われた大変なところもあると思いますが、②を増やしていって、新しい未来を作っていきたいですね!