とてもお世話になっている新日本フィルハーモニー交響楽団主席ティンパニ奏者の近藤 高顯 先生が本を執筆されました。先生の幼少時代から修行時代、超一流の演奏家たちとの交流など、他では絶対に聞けないような内容が充実しています。あっと言う間に読了しました。
- 作者: 近藤高顯
- 出版社/メーカー: 学研プラス 児童・幼児事業部 音楽事業室
- 発売日: 2017/08/29
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
先生のティンパニの演奏はいつも「特別」だなーと感じるんです。新日本フィルでも紀尾井でも先日のNDRの来日公演でも同じように。なんでこんなに「特別」なんだろうといつも考えるんですが、この本を読んで先生の背後にある深い深い積み重ねを感じることができました。
新日本フィルでの現場、小澤征爾や朝比奈隆などの指揮者とのやりとり、他流試合と表現されているベルリン・フィルやミュンヘンフィル、NDR、林英哲さんとの本番。ベルリンへの留学やそこから始まるベルリン・フィルやウィーンフィルなどの超一流演奏家との交流(来日公演に行き話しかけて友人になるという先生の行動力はマジすごい)。そこには聴衆ではわからないそこでしか感じ取ることが出来ない現場のリアル、苦しみ、楽しさが溢れています。
読んで思うのは、やはり「現場」でしか積み重ねられないんだなぁと。。。知識や技術は必要だとしても、本当の経験と成長は現場でしか成し得ない。ものづくりの現場も同じです。体系的に学んだだけではそれが必ずしも力にはならず、現場の矛盾を目の当たりにしながら、失敗して上手くいってを繰り返さないと本当の力にならない。
エンジニアの皆さんなどでも職人とは何たるかということを感じられると思いますし、カラヤンの「振り間違い事件」などの裏話も満載で、クラシック音楽を知らなくても誰でも楽しめると思います。是非読んでみてください!おすすめです。