思考と現場の間で

「いいサービスづくり」のために、組織づくりやソフトウェア設計など、考えていることを書きます

組織の成長のためには植物を育てるように

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組織のアウトプットの質を上げるには成長が不可欠

組織のアウトプットの質を上げるには、社員の成長が不可欠であることは疑いようもありません。そこで行われるのは「教育」です。当然事業組織としては、できるだけ早く収益に貢献できるよう、「できるようになる」ことを目指します。その方が手っ取り早いからです。ただ「できるように」なったとしてもそれが「育つ」ことなのかは別問題です。決められたことを教えられただけであり、自分で学習したわけではないからです。経験を重ねれば重ねるほど、必要な能力は変わっていきますし、レベルが上がってきます。都度誰かが教えることは不可能。自分自身で育たないかぎり継続的な「できるように」なりつづけることはできません。

教えることと育てることの違い

教えるということは、「伝える」ということを繰り返すことですが、育てるというのは「環境を作る」ことです。何故なら、知ることはインプットから起こりますが、成長は本人が起こすことだからです。成長には速度も方向性も個人差があり、我々はそこに強く関わることはできません。きっかけを与えることしかできない。そういう意味で、植物を育てるように捉える必要があります。

肥料を与え、水を与え、声をかける

植物を育てるときに何かを教えることはできません。肥料を与え、水を与え、声をかける(と違うらしいですね)。人間にも同じことが必要です。時間はかかりますが、成長するのはその人自身であり、我々はその環境を提供することしかできません。「育成」自体がおこがましいと最近良く思うのですが、環境を作りながら粘り強く付き合うしか手段はないと思います。

最も必要なのは、焦らないこと。時間はかかっても信じることです。そのためには我慢も必要ですし、組織的体力も必要。でも社員の成長が組織の成長になる。短期的にも中長期的にもそれしかありません。

そうは言ってももどかしいものです。私が自分以外の誰かが、成長していないなと思った時にいつも思うようにしていることがあります。

自分はその人以上に成長しているだろうか?